バイオリンを演奏している時に、ビリビリあるいはジリジリという異音がしたことはありませんか。
雑音の原因を自分でチェックできれば早急に対処できます。
バイオリンからビリビリ音が聞こえる理由
演奏時にビリビリというか、ジリジリ、あるいはザーッというような振動音のような雑音が聞こえることがあります。
そんなときは音に透明感がなく、音色がザラザラした感じになります。
そんなとき原因が分かればすぐに対処できます。
顎あてのネジの緩み
使用しているうちにネジが緩んで、顎あてがしっかりと本体に固定されていないことが理由かもしれません。
顎あてとテールピースが触れている場合は調整が必要です。
工房や楽器店に相談しましょう。
ニカワの剥がれ
横板、表板そして裏板の接着面のニカワが剥がれると振動音がします。
指板が剥がれた場合も雑音がします。
ニカワが剥がれた部分を接着しなおせば直ります。
弦が指板にあたる
弦が指板に当たると振動音が出ます。
原因としては、弦と指板の間隔が狭い。
あるいは弦を乗せる溝が摩耗して深くなったことが考えられます。
弦と指板の間隔が狭い時は指板を交換するか修正することで雑音を改善できます。
溝が摩耗しているときはナットを新しく作り直します。
E線のチューブの食い込み
E線は駒への食い込みを防ぐため小さなパイプがついています。
パイプが取れて紛失すると、細いE線が駒に食い込んで雑音の原因になります。
また、駒と弦の間に挟まれていないと振動音がします。
ただし、駒に食い込み防止の薄いシートなどがついているなら、問題ありません。
アジャスターのネジの緩み
アジャスターのネジが緩んでいると振動音がします。
ネジをしっかり締めなおせば雑音はなくなります。
その他の原因
その他、多くの要因が考えられますが、ザっと羅列いたします。
- 服のボタンやチャックとの接触
- 指輪やネックレスなど装飾品
- フィッティングパーツの装飾(螺鈿等)の剥がれ
- 虫食い
- 弦の劣化
- 埃
- 弓のフロッグやその他パーツの劣化
洋服のボタンやネックレスがバイオリンにあたっていると振動音がします。
特に、ネックレスは楽器を傷める可能性もあるので演奏時は外す方が良いでしょう。
テールピースやペグの飾りが外れてしまい振動音がすることもあります。
虫食い、弦の劣化が原因のこともあります。
また、弦に松脂が固着していることも雑音の原因となることがあります。
市販のストリングクリーナーなどで弦を拭いてみましょう。
見落としがちですが、雑音の原因が弓のこともあります。
弓の毛に松脂を塗りすぎるとガサガサした音になります。
清潔なタオルなどで拭いて松脂を拭き取ると改善することがあります。
楽器と弓の相性が原因のこともあります。
バイオリンのビリビリ音の原因特定方法
バイオリン工房に持っていくというのが手っ取り早いのは事実ですが、それでは何の役もたちませんので、ポイントをお伝えいたします。
- 怪しいであろう各パーツに触れながら演奏してみる
- ユルユルだったりグラグラしているものがないか確認する
- ネックをブラ~ンと持って弦を弾いてバイオリンに耳を近づける
- バイオリン本体を軽く揺すってみる
弾いたときにいつもと違う音がする、違和感があるというときは、このような方法で、バイオリンや弓の状態をチェックしてみましょう。
それでも原因が分からないときは、工房や楽器店で調べてもらってください。