バイオリンを選ぶ材には見た目を判断基準とするのも間違いではないです。
バイオリンは他の楽器と比べて手工芸品として価値を見出されることも多く、観賞用の為にバイオリンを買う人もいるほどです。
見た目でバイオリンを選ぶとなると、フィーリングで頼ることになるのですが、案外これは効率のいい選び方で、無数にあるバイオリンをふるいにかけることができます。
日ごろからバイオリン展などで美術品として価値がついているバイオリンを多く見ていると、直観が磨かれやすいです。
日々磨いたアンテナを伸ばし、びびっと来る瞬間を逃さない力をつけておくと、自分に似合ったバイオリンに出会うことができるでしょう。
その中でも今回はバーズアイのバイオリンについて解説したいと思いますが、結論からお伝えすと、音色には直接的な違いはありません。
特殊な見た目のバーズアイ
たくさんのバイオリンを見ていない限りは、どのバイオリンも色の濃度の違い以外は大体一緒に見えてしまったり、今いち違いがわからない場合もあります。
そんな中、バーズアイはその模様の特異さから、他のバイオリンより目を惹きます。
裏板の木目が鳥目状に浮きだっているもののことをそう呼びます。
はっと目を引く杢目が現れている理由は使われている楓の成長が遅くて不規則だったりとか、幹が曲がっていることに起因すると言われています。
人によってはちょっと派手かな、と感じたり賛否がわかれる面もあります。
しかし、バーズアイは希少価値が高く、他のバイオリンとは一味違ったカッコいいデザインです。
目につきやすいので見つけると運命を感じる人も多くいるでしょう。
バーズアイの音色に違いはあるのか
希少なバーズアイのバイオリンは、はたして他のバイオリンと音色に差があるでしょうか。
結論、冒頭でもお伝えしたように、音色に直接的な影響はありません。
中には杢の溝が深いと音が違うという見解もあるようですが、はっきりとしたソースはありません。
大量生産のバイオリンでさえ一個一個同じ音色のものはないですから、バーズアイと普通のバイオリンを同じ条件下で比較することはほぼ不可能と言えます。
音色のよしあしは、やはり裏板の素材というよりは、他の製造工程に重きが置かれていますので、裏板の杢が音色に直接的な影響を及ぼしている可能性は極めて低いと言えます。
バーズアイでもそうでないものでも、最終的な判断は自分の音色の好みで決めていきます。
あくまで見た目の判断基準としてバーズアイの存在を知っておくといいと思います。
それが自分のアンテナに引っかかるかどうかは、是非本物のバーズアイを手に取って感じてもらい、音色を聴いて判断されることをおススメします。