バイオリンのペグが回りにくい時の対応と滑りやすい時の対応

ご存じの通りバイオリンの弦の張りを調整するために回すパーツをペグと言いますが、このペグを回すことによって弦を強く張ったり緩めたりして使っているうちに、ペグの動きが悪くなることがあります。

このペグは黒檀などの固い木で作られていますが、巻き方や木の状態によっては回りにくくなったり、滑って回りすぎたりするので、その時は適切なケアをする必要があります。

バイオリンを始めると誰もが経験するこのトラブルを簡単解説いたします。

ペグが回らないときの対応

ペグが回りにくいときは、実はペグだけに問題があるわけではないのはご存じでしょうか。

意外と盲点ですが、ペグやナットの調整をして治るパターンと、弦の巻き方を調整することによって治るパターンが存在します。

弦を巻きなおす

バイオリンの裏側から見ると、ペグに弦が巻かれているのを見ることができますが、この時に巻いている弦がバイオリン本体の壁面についていると、その圧力でペグが回りにくくなることがあります。

この場合はいちど弦を外して、本体につかない位置にもう一度巻きなおしましょう。

逆にペグが回りすぎるときは、バイオリン本体に接するように巻くことで、やや回りにくくすることもできます。

ここで注意したいのが、弦は1本外しては1本巻きなおす、そして次の弦と、1本ずつ処理していきましょう。

駒が倒れたり魂柱を倒してしまうことを防ぐためです。

ペグコンポジションを使う

ペグを回りやすくするための、ペグコンポジションという潤滑剤のようなリップ型のツールがあります。

これは、ペグに塗ることでスムーズに回るようにするためのもので、口紅のような容器に入っているので簡単に塗ることができるものです。

ロウなどを塗る人もいますが、こうしたものを使って滑りをよくするのも良いでしょう。

ナットの摩擦を減らす

ナットの溝には弦が押し付けられており、ここの滑りが悪いことでやや回りやすくなることがあります。

溝を削りすぎないように、4Bなどの濃い鉛筆で溝を塗ってやりましょう。炭素の働きで摩擦が減ります。

ペグが回りすぎる時

ペグは先が細くなるように作られているので、深く押し込むことでやや固く締めることができます。

また、先述のように弦がバイオリン本体に触る位置に巻くことで、やや回りにくくすることもできます。

専門の工房に依頼

それでもペグが上手く回らなかったり、回すときに音がするようなときは、ペグや穴が変形していることも考えられます。

本格的に修理するとなると、専用の器具などが必要になるので、自分で修理というわけにはいかなくなります。

そんなときは、専門家に依頼して修理してもらいましょう。

ペグそのものは1本1000~3000円程度、ペグ穴を埋めたり、ブッシングなどをすると1カ所につき8000~15000円程度の修理代が相場です。

すべての穴の調整となるとかなりかかるかもしれませんが、弦の調整がスムーズにできないと練習もやりづらいので、動かしやすいようにしておきたいものです。

しっかり専門の工房にオーダーして練習に専念できるようにしましょう。

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