バイオリンの弾き方のテクニックには、シフティングやビブラート、ピチカートなど幾つかあります。
ここでは、その中のピチカートの弾き方についてご紹介します。ピチカートとは、バイオリンを弓ではなく指で弦をはじく弾き方です。
楽譜に「pizz.」と記載されている音符は指ではじいて鳴らします。
ピチカートを綺麗に鳴らすコツ
はじくだけとはいえ、綺麗に鳴らすには幾つかコツがあります。
はじく場所やはじく方向などで、良い音が出せたり、ノイズが入るような音がすることもあります。
はじく弦の場所
弓を擦る位置ではなく、ピチカートでは指板の上をはじきます。
場所は抑えている指と、駒との中間辺りが一番良く響きます。
指板の端の方ではじくと、音が硬く響きにくくなります。
はじく指の方向
弦と平行にはじくのではなく、弦に対して斜めにはじきます。
はじき終わりは指を少し上げるようにすると、より響くようになります。
はじく指の位置
指の腹を使ってはじきます。
指先ではじくと音が硬くなり、また、爪が当たるとノイズが出てしまいます。
指を立て過ぎずに、指の腹が弦に当たるようにすると柔らかく綺麗な音が出ます。
指先だけではじかない
指先の動きが肝ではありますが、どう動かすかは腕全体の連携が必要となります。
ピチカートはどの指ではじく?
どの指ではじくかは、正式なルールはないので教室の先生に教えて貰うのが一番です。
ですがやっている内に、どの指がやりやすいかは自分の中で判断が付くようになります。
例えば、硬く鋭い音を出したい時は、人差し指ではじき、豊かな音を鳴らしたい時は親指ではじいたりと、使い分けることもあります。
しかし、早いピチカートでは、親指を指板に固定させて人差し指や中指ではじかなければ間に合わず、親指で弾くことはできません。
ピチカート中も当然弓を持っているので、少なくとも薬指と小指は弓を支えているため、再び弓で弾く際に持ち直す必要があります。
ピチカートから弓へ戻す間の時間が短い時は、すぐに弓で弾ける持ち手を保ったまま、人差し指か中指でピチカートを行います。
ピチカート奏法に必要なこと
ピチカート奏法において、必要な要素は指と弦の触れ方と離れ方です。
はじき方が変わると音も変わります。これが上達のカギを握ります。
是非、上記に挙げたピチカートを綺麗に鳴らすコツを取り入れて練習してみてください。
どの位置でどの位の強さで、と何度も研究しながら練習を続けることが大切です。どこをどのようにはじくとどんな音が出るのか、分析ができるようになります。
そして少しずつ、譜面通りの出さなくてはいけない音や、望んでいる音がコントロールできるようになります。