バイオリンの弦はコアの種類でどう違うのか

  • 2020年4月19日
  • 2020年4月20日
  • コラム
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バイオリンは弦によって音色が変わる繊細な楽器です。

楽器との相性もありますし、自分の好みの問題もあります。

弦の知識を身につけておくと、いざという時の弦選びに困りません。

こちらのページでは弦の素材ごとの特性についてご紹介してまいります。

弦の種類

バイオリンの弦は大きく分けて3種類存在します。

スチール弦、ガット弦、ナイロン弦の3つです。

それぞれに次のような違った特性があります。

スチール弦

金属製で寿命が長いことが特徴のスチール弦。

  • 明るい傾向の音色
  • 素材の寿命が長い
  • チューニングが安定している

しっかりとした素材のため力強い音色が響き、素材の特性上、伸びに強く、チューニングの安定性も抜群です。

このスチール弦は、ガット弦やナイロン弦を使用していても、E線には共通して使われていることがほとんどです。

ガット弦

羊の腸から作られるのがガット弦です。

  • 昔ながらの弦の素材
  • 丸みがある“ザ・バイオリン”といった素晴らしい音色
  • 耐久性が低い
  • 動物由来の素材で調弦の安定がしにくい

現在では羊の腸から取り出した繊維の他に巻き線という金属の糸を巻き付けたものもガット弦と呼称されています。

ガット弦はバイオリン本来の柔らかい音色を引き出してくれます。

しかし耐久性が短く音の安定性も、乱れやすい素材となります。

湿気などに弱いため保存環境にも扱いに気を遣いますので、中級者~上級者向けの弦と言えます。

ただし、それでも愛用者が多い理由は、バイオリンの本来の丸みのある美しい音色が好まれるためです。

ナイロン弦

ナイロン弦はガット弦とスチール弦の良いところを組み合わせた弦です。

  • 柔らかさと明瞭さを兼ね備えた音色
  • ガット弦より寿命が長い
  • チューニングが比較的に安定する
  • 近年の主流の弦

合成繊維を合わせガット弦のような柔らかな音色も引き出されるよう工夫されています。

更に、寿命も長く、持ちがいいので扱いやすい弦と言えます。

近年はE線以外はナイロン弦という方が多く、主流になってきています。

ドミナントなどは、この種の弦で、ナイロンコアの弦の中でもシンセティックコアという素材を使用した減となります。

ガット弦と比較すると、コストパフォーマンスも良いため、迷われたらナイロン弦を買うと失敗がないです。

オススメの弦

迷われた場合は、ナイロン弦のドミナントをオススメします。

定番の弦で子供から大人まで多くの奏者達がこの弦を使っています。

コストパフォーマンスに長けていますし、弦の持ちも良いです。

バイオリン本来の良さを引き出してくれるため、変な癖がなく使いやすいです。

弦のレスポンスも良好で不用意な力を使わなくても弾ける所もポイントです。

音に色を付けたい場合は、インフェルドの赤もオススメです。

重厚感溢れる品の高い音がでることに定評があります。

一度楽器に染み渡るような振動を味わう間のようなものがあるため、反応が鈍いと感じる人もおり、賛否両論の部分もありますが、華があり美しく弾きごたえを感じやすい弦でもあります。

その他にも各ブランドから様々なアプローチで弦が開発されています。

音色には個人の好みもありますし、めぼしいコンクールや発表会の予定などを組んでいなければ、色々張り替えて試してみるのもいいかもしれません。

自分の気に入った音に出逢えると弾くのが楽しくなり演奏の上達にも繋がるでしょう。

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