バイオリンに触れたことがない人も多いと思いますが、近年はバイオリン人口が少しずつ増えつつあります。
バイオリンの本体も安価な物も多くなってきており、取っつきやすいものの、いざ手元に届いたら、音が鳴らないなど、困った方も多いと聞きますので、セルフセットアップの基本的なものをピックアップしてみます。
ご参考にしていただけましたら幸いです。
まずは弓を準備しよう
バイオリンを購入して手元に届いたら、本体を触りたい気持ちを抑えて、まずは弓の準備から始めましょう。
- 弓の毛をピンと張る
- 弓の毛に松脂をたっぷり塗る
買ったばかりの弓の毛はたるんでいるので、自分で調節してピンと張る必要があります。
弓の毛は練習後には毎回ゆるめておくので、練習のたびに調節してピンと張ります。
また、演奏の途中でもゆるんできたら調節します。
フロッグ(毛箱)などの部品が付いている方のスティックの端にネジがあり、どちらかに回転させると毛を張ることができます。
張る具合は、スティックと毛のにスティックと同じくらいの幅の隙間ができる程度を目安にしましょう。
ちょうどよく弓の毛が張れたら、今度は弓に松脂を塗ります。
買ったばかりの状態はまったく松脂が付いていないので、根気よくたっぷりと塗りこんでいくことが必要です。
数十回または百回くらいを目安に、端から端までくまなく塗り込んでいきましょう。
塗りが足りないと音を出すことができません。
といっても塗り過ぎもいいわけではなく、本体の表面に白い粉が舞うほどは塗らなくてもOKです。
たっぷり塗りすぎるくらい塗って、弓の毛を何度かはじいてあげると、余分な松脂が取れます。
本体の準備をしよう
弓の準備が整ったらいよいよ本体の準備です。
- チューニング
- 肩当て装着
弦をチューニング
弦のチューニングも弓の毛と同様に練習のたびに行うことです。
ただ、弦のチューニングは慣れれば簡単なのですがビギナーには難しいので、バイオリン教室などでは先生が代行してくれる場合も多いです。
チューナーがあればより簡単にできるので、持っていない場合は購入すると良いでしょう。
音を出すとチューナーが本来の音よりも高いのか低いのかわかりやすく表示してくれます。
チューナーの表示を確認しながらペグで音の高さを調節していきます。
チューニングのポイント
- 一度チューニングした弦も何度か確認
- ペグは軽く押し込むように調整
- 全弦へアジャスターを付けるのがおススメ
弦を1本ずつ調整していると調整し終わったはずの他の弦の音が狂ってきます。
しかしこれは正常なことで、4本すべての弦を繰り返し調整するようにします。
特に最初に弦がゆるい状態だと、1本を高く調整すると他の3本が低くなるものなので、根気よくできるだけ正確な音の高さに調整するようにしましょう。
ペグは、穴に押し込むようにしながら回転するとうまくいきます。
タイミングや力の入れ具合は少しずつ身についていくはずです。
また、弓で弦を弾いて音を確認するよりも、弦を指ではじいて確認した方がずっと簡単なのでおすすめです。
最初の内はバイオリンを構える必要もなく、膝の上に安定させてチューニングに集中しましょう。
また、チューニングはペグの他にアジャスターも使います。
アジャスターはテールピースに装着されているのですが、基本的にE線のみです。
E線はとても細くてデリケートなので、ペグだけではなくアジャスターも使って微調整していきます。
チューニングをしやすくするため、4弦すべてにアジャスターを装着することも可能です。
ペグで調整した後、アジャスターを左右に回すと音がわずかに高低するので微調節してみましょう。
肩当てを本体に取り付ければ準備は完了です。
肩当ては、右と左を逆に付けてしまわないように、各写真を参照の上、装着頂ければ準備完了となります。
さて、これで、バイオリンが届いた時の準備が一通り整いました。
それでは、しっかり練習をして、みなさまにとって、素敵なヴァイオリンライフを。