自分でできる、バイオリン弓のセルフメンテナンス方法

バイオリンに限らず、楽器は日々のセルフメンテナンスが大切です。

使い終わった時などに、しっかりとメンテナンスができていれば、良い状態を保ったまま使い続けることができますね。

バイオリンというと、どうしても弦の交換や本体のメンテナンスが中心になりがちですが、もう一つ忘れてはならないも、それが弓です。

バイオリンのセルフメンテナンスは弓もお忘れなく

良い音を出すのは本体の作りや弦だという人も多いですが、その音を出すために弓は重要な役割を果たしています。

弓は良い演奏技術のための「魔法の杖」とも呼ばれているのです。

ですから、バイオリンをケースから出したり直したりする際は、同時に、弓も含めて、下記のセルフメンテナンスとチェックを忘れないようにしてください。

弓のセルフメンテナンス

弓のお手入れは自分で出来るものと出来ないものがございますが、こちらではご自身で対応可能なセルフメンテナンスについて記しておきます。

  • 演奏後は必ず緩める
  • 余分な松脂を拭き取る
  • 手垢の拭き取る
  • 毛が切れても抜かない

演奏後は必ず緩める

バイオリンの弓は反りがとても重要で、演奏にその反りがないといい音が出ません。

弓を使うときは毛をピンと張って、使わないときには緩めるのが基本です。

ですが、弓をずっと演奏時のように張ったままにしておくと、その反りがなくなってしまうことがあるのです。

反りが悪くなってしまうと、弓の張りが弱くなるので良い音が出ません。

張ったままケースに入れて持ち運び、割れてしまったということもありますので、注意が必要です。

余分な松脂を拭き取る

弓の本体や毛には余分な松脂が残ったままになると沈着してしまい汚れが目立つようになってしまいます。

ケースの中にはクロスを入れておいて、演奏後のお手入れには気を付けましょう。

ステック部分の沈着

演奏しているとどうしてもスティックに松脂がついてしまいます。

特に内側(毛とスティックの間)には松脂が付きやすいので、演奏後に必ず拭き取るようにしましょう。

毛の部分への沈着

弓元や弓先に近い毛は演奏時に松脂が使われないことも多い為、固まってしまって黒く沈着してしまうことが多いですが、この部分は、毛が傷んでしまうのでゴシゴシ拭いてしまうと良くありません。

基本的に毛の部分は拭いたりしませんが、拭き取るとすれば、本当に軽くなぜるように拭き取る程度で、それでも使用し続けることで松脂が沈着し黒くなってしまったりすることもありますので、半年に1度程度は毛替えをしてもらいましょう。

もちろんこれは専門家にお任せすることですが、バイオリンの状態をこまめに観察して、必要なフォローをするのも大切なセルフメンテナンスといえるのではないでしょうか。

手垢を拭き取る

フロッグやラッピングには手垢が付きがちです。

松脂の拭き取りをする際に、一緒にフロッグやその上のスティックやスクリューもしっかり拭き取りましょう。

ラッピング部分の拭き取りはラッピングの劣化に繋がる為、ソフトにお手入れされるようにしてください。

毛が切れても抜かない

練習中に毛が切れてしまったからと言って、引っ張るように抜き取る方を見かけますが、絶対に良くありません。

毛替えの際に職人は、糸で毛の根元を束ねていますがすが、抜き取る行為を繰り返すと、束ねている部分がスカスカになり、一気に抜けてしまったり、すること日長ります。

切れた毛は、抜くのではなく、根元の方でカットするようにしてください。

弓のセルフチェック

下記の内容をチェックしつつ、もし異常があるようでしたら、バイオリン工房に持ち込んで、職人にメンテナンスをしてもらうようにしましょう。

  • フロッグが緩んでいませんか
  • スクリューの回転が悪くなっていませんか
  • 弓の毛が伸びていませんか
  • 弓の毛にカビや松脂が沈着していませんか
  • スティックは曲がっていませんか
  • 弓先のチップが剥がれたり割れていませんか
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