バイオリンやビオラを香水で拭くって嘘?本当?それって大丈夫?

お客様から「バイオリンを香水で拭くという話を聞いたことがありますが、本当ですか?」という質問を聞いたときに、いつも私は即答でお答えします。

 
シロップわんこ
タサカ工房長が香水でバイオリンを拭く姿、見たことないですね。どうしてですか?
 
タサカ工房長
理由は後述しますが、バイオリンに香水はオススメしません。香水ではなく、専用のポリッシュを使いましょう。

バイオリンを香水で拭いている方にはいろんな理由があるかもしれませんが、こちらのページでは、なぜ香水でバイオリンを拭くことをオススメしないのかということと、それでも香水を使いたい方のための注意まで、解説していきたいと思います。

香水で拭いてはいけない

汚れを取るために、香水を使うなんて方も多いみたいですが、みなさんのバイオリンを守るために、まずは香水がバイオリンなどの弦楽器に与える影響やをご紹介したいと思います。

バイオリンんを香水で拭いてはいけない理由

バイオリンを香水で拭いてはいけない理由は香水の主成分であるエタノールが、バイオリンの音色の命でもあるニスや、構造を保つための天然の接着剤である膠(にかわ)を溶かしてしまうことになるからです。

拭き残りが影響して、ニスが溶けてしまうこともあります。

『いやいや、そんな少量のエタノールでそんなことならないでしょ!』という方へお伝えしたいのは、ニスの天敵は融解性や溶解性だけではないということです。

香水には、油分などを溶かすエタノールのほかに、ニスを変色させてしまう光毒性(光感作)をもつ成分が含まれているものも多く存在していることを忘れてはいけません。

特に、近年人気の「天然成分で出来ています」とうたわれる香水や、柑橘系の香水にはそうした光毒性のある成分が含まれていることが多いです。 

オイルニスの場合

テレピン油や亜麻仁油などにニスの成分を溶かし込んだオイルニスの場合、エタノールを表層に吹きかけてしまうと、ニスの成分同士のツナギのような役割でバイオリンの表層に長期間残存し弾力を保ち続けるはずの油分を先に融解してしまうことになり、成分と成分間のつなぎの油分が先に融解し、その後、ニスの主成分である樹脂もアルコールに溶け出してしまい、どろどろになったり、場合によっては表層がざくざくになったりボコボコができやすくなったりしてしまいます。

アルコールニスの場合

また、アルコールニスの場合は、エタノールを使うことで、元のアルコールニスに戻ってしまう印象です。

オイルニス同様に、アルコールニスも、エタノールは香水の香料成分を溶かすのと同じようにニスに含まれる成分も溶かしてしまいますので要注意です。

参考までに

そもそも、アルコールニスは、ニス塗りの段階で樹脂以外(アルコール)は揮発してしまい、樹脂だけが表層に残りバイオリンの表面のコーティングしているイメージで、オイルニスは水分が抜けて油分と樹脂が固まり残るといった違いがある思っていただけたらと思います。

いずれにしても、香水の主成分柄あるエタノールに負けて分解されたり溶け込んだりしてしまいます。

ネックや指板だけなら良いのではという意見について

膠も同様に溶かしてしまいますので、ネックと指板の接着部分に触れてしまっては、経年で本体の強度に問題を及ぼしてしまう場合があります。

それでもクリーニングに香水を使いたい人のために

オススメはしないですが、それでも香水を使ってクリーニングをしたいですという方も多くいるようですし、肯定派の方もおられます。

そんな方々には、下記の点を注意して使用していただけたらと思います。

  • 直接吹きかけずクロスに吹きかけて拭く
  • 角に使用しない
  • 拭き残し内容に乾拭きする

香りを付けたい人のために

表層を拭き取りたいのではなく、香り付けのためにバイオリンを香水で拭くなんて方もおられるようです。

非常にシンプルですが、バイオリンケースの内装(バイオリンに直接触れないところ)に吹きかけてバイオリンを収納しておくと、数日間続ければ、香りが持続するようになります。

香水以外を使ったお手入れについて

「では、こびりついた松脂をとるには、どうすれば?」という質問もいただくのですが、可能な限り、日々のお手入れを心掛け、こびりつかないようにしてあげましょう。

お手入れ方法は口述しますが、日々お手入れすることで、お手入れに香水を使う理由がなくなります。

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それでも、お手入れを忘れてしまってこびりついてしまったという方は、香水を使わず下記の2択をお勧めいたします。

  • 専用のクリーニングポリッシュを使用
  • ひどい場合にはバイオリン工房へ相談

まとめ

いかがでしたでしょうか。

香水に、融解性、溶解性、光毒性など色んなリスクが潜んでいます。

大切なバイオリンを守るためにも、香水は使わず、日々のお手入れを忘れず行ってあげてくださいね。

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