バイオリンで絶対にしないといけないメンテナンスと見極め教えます

近年、バイオリンの職人が昔より増えているように思います。

それと同時に、本当に多くの新規のお客様から『別の工房でこんなにたくさんのメンテナンスをしないといけないと言われたのですが、本当に全部必要ですか?』という質問を受けることが多くなってきています。

今回のお題は、何を基準にメンテナンスをするのか、それによって、どのメンテナンスを取捨選択するのかを考えていただける材料の一つとして参考にして頂けたらと思いまとめることにいたしました。

弦楽器に必要なメンテナンスとは

『バイオリンのメンテナンスをお願いしたいのですが…』とバイオリン工房に持ち込むと『全部メンテナンスすると●万円は必要ですね』などと言われて驚いた方、少なくないかと思います。

そのメンテナンス、お客様によっては必要ないメンテナンスも多く含まれている可能性があります。

全ての職人が同じ見積もりをお出しするとは言い切れませんが、そのメンテナンスの提案内容の多くは「このバイオリンを最良の状態で演奏していただこうと考えると、これらのメンテナンスが必要です」といった意味合いで話されているとらえるのがちょうど良いと思います。

これらの提案は、職人がバイオリンと正面から向き合って出した答えで、お客様と向き合う前の提案と言えるのかもしれません。

メンテナンスをするかしないかの基準

上記の提案には、お客様にとっては、そこまでメンテナンスをしなくても現状は大きな問題にはならないというものも含まれています。

ここで大切になってくるのが、お客様が求めるバイオリンの状態がどの程度のものなのか、または、どの程度の状態のバイオリンがお客様にとって必要なのかを見極める職人の能力です。

医療と同じでバイオリンと持ち主にとってのQOLをしっかり考えて提案することが本来のあるべきメンテナンスの姿と考えます。

例えば、プロのバイオリン奏者であればメンテナンスすべきポイントや必要な弦の種類や頻度に高いレベルを求めて当然かもしれませんので、それなりの費用が必要となって当然と考えるでしょう。

しかし、初心者で普通に演奏できればそれでいいという人に、例えば15,000円もする弦や、ハイグレードな毛替えが必要かというと、そうではありません。

そうした優先順位や必要性を正直に会話できる関係性を作ることができる工房でメンテナンスをしたいものです。

メンテナンス前の説明ポイントに注意

メンテナンスをお願いするにあたり、間違いなく言えることは、下記の観点でメンテナンスについて話ができるスタッフがいるかどうかがポイントです。

メンテナンス説明で聞きたいポイント

  • 何がどのようになっている事がダメな状態なのか
  • その状態では、どういう影響があるから調整が必要なのか
  • その症状に対し、どのような作業をすべきか
  • その結果、どのような改善効果が見込まれるのか

この説明がなされない場合、改善効果や症状とお客様のQOLを天秤にかけて、その必要性が判断できない可能性が高いと言えるだけでなく、お客様も何が改善されるのか把握(理解/納得)できない状態でメンテナンスをしてしまい、結局何がよくなたのか分からないままという状態に陥る可能性があるので要注意です。

これは信用できないというポイント

上記の観点での説明に抜かりがない職人というのは、大抵の場合、作業も論理だてて進めるため、音の改善を見込むことができるでしょう。

それに対して、下記のような言動が見受けられるスタッフさんがおられるお店は『あれ?(一概には言えませんが)』っと疑うべきかもしれません。

疑うべき言動

  • 前の職人さんが適当ですね(など他人の悪口が多い)
  • 全て必要かどうかについての会話なしに説明のみする
  • お客様の状況をヒアリングしない

初心者でもすべきメンテナンス

もちろん、駒や魂柱などの調整も大切な音色をよくする要素ですが、私が最低限おすすめするのは、下記の4ポイントくらいです。

  • 表面や指板のお手入れ(ご自身で)
  • 毎日演奏してあげて状態をチェックする
  • 伸びた弦の交換をすること
  • 汚れた弓の毛の交換をしてあげること

メンテナンスを考えるうえで、もっとも大切なのはバイオリンが、あなたにとって身近なものであることです。

まずは、自身で演奏して、毎日の状態チェックをし、表面をきれいに手入れしてあげることと、毎日摩擦でふれあい摩耗しやすい弦と弓の毛を定期的に交換してあげることです。

皆さんも、バイオリンを大切なパートナーとして、最低限すべきメンテナンスとお手入れはしてあげてくださいね。

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