バイオリン弓に塗る松脂は初心者にはどれがおすすめ?塗り方は?

  • 2020年1月5日
  • 2020年3月4日
  • 練習
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バイオリンを購入して、弓を添えて演奏しても、松脂を馬の毛に塗らなければ、音が鳴りません。

当工房のお客様から「どれくらい塗ればいいの?」「松脂は何でもいいですよね?」と聞かれることが多かったので、こちらで纏めてみます。

バイオリンの弓に使われる松脂について

松脂(まつやに)は松が微生物から自分の身を守るために分泌する樹脂で、その樹脂は主に針葉樹が多く分泌し、清涼感のある香りがあるため新築邸宅の木材の香りやヒノキ風呂の香り、森林浴などでよく言われるフィトンチッド等はこれら樹脂によるものです。

松脂は黄褐色の透明性があり、常温では個体です。

また宝石の1つである琥珀(こはく)は樹脂(松脂など)が化石となったものとして有名です。

松脂は大変べた付くため、滑り止めとして昔より使われてきました。

  • プロ野球等でピッチャーが投球の合間に手にしてパタパタやっているロージンバックも松脂
  • バレエではトウシューズの足先に付けるのも松脂
  • 勿論、バイオリン以外の擦弦楽器(二胡やチェロも同様)の弓にも塗ります

バイオリン族のように弓で弦を擦る擦弦楽器(さつげんがっき)も、松脂を弓毛に塗り、その摩擦を上げることによって音を出すわけです。

なお弓毛に塗るものとしては、松脂だけではなく樫脂(かしやに)や合成ヤニもありますが、一般的ではありません。

どの松脂を初心者は選べばいいのか

ご自身の好みに合わせて松脂を選ばれることがおすすめですが、ビギナーの方であれば、まずはダーク系で有名なベルナルデルがおすすめです。

松脂の種類

松脂には大きく分けてダークとライトの2種類があります。

下記に違いを纏めますが、ビギナーの方の場合は、音が出やすいダークがおすすめです。

ダーク系の松脂

ダークは茶褐色の濃い色の松脂で、粘性が強いため弦への引っ掛かりがよいものです。

柔らかく仕上げられており弓毛にも塗りやすく、力強い演奏ができます。

いろいろなメーカーがソロ専用の松脂を出していますが、基本的にダークです。

  • 柔らかくて塗りやすい
  • 年度が強く引っ掛かりが良い
  • 茶褐色の濃いめの色
  • 多くのメーカーが提供している

ライト系の松脂

ライトは色が薄く「こはく色」で、引っ掛かりがダークと比べて少ない松脂です。

さらりとしており、滑らかな弓運びで軽やかな演奏をするのに向いています。

  • 軽やかな弓運びができる
  • こはく色で薄めの色
  • 粘りが少ないためポロポロ割れやすい場合がある
  • メーカーの選択肢は少なめ

松脂ブランド

バイオリン用の松脂はさまざまなメーカーからそれぞれ特徴ある商品が出されており、定番のベルナルデルや日本製のアルシェ、高級品とされるギヨームなどのメーカーが有名です。

色々試して、好みの銘柄を探してみましょう。

松脂の塗り方について

松脂は弓元から弓先まで、広めのストロークでまんべんなく擦り付けるように塗っていきます。

ですが、ただ塗って演奏するだけが松脂塗布ではありません。

注意すべき点がいくつかございますので下記の通りまとめておきます。

  • 塗り初めが塗りにくい時は松脂を少し傷つける
  • 塗った直後は余分な松脂を取ってあげましょう
  • 演奏時にバイオリン本体に付着した松脂を拭き取る
  • 松脂の銘柄を変えるタイミングは毛替えの時がベスト

塗り初めのコツ

新品の松脂はツルツルで塗りにくい場合が多いです。

松脂の表面を紙ヤスリ等でこすって少し傷つけると塗りやすくなります。

弓の毛も新品ですと、こちらも滑ってしまうため、塗りにくい原因のひとつですので、毛替え後の毛には普段よりたっぷり松脂を塗ってあげましょう。

塗った直後の演奏前にすること

松脂は塗りすぎると、本体のたっぷり塗った後に、屋外に出るなどして、パラパラっと弓の毛を撫でるように弾いてあげると、余分な松脂が取れて、演奏時にバイオリン本体に松脂がこびり付きにくくなります。

演奏前には必ず余分な松脂を取ってあげてください。

演奏後の松脂のお手入れについて

弓に塗った松脂は弓の毛と弦との摩擦の間にバイオリン本体や指板に付着してしまいます。

演奏後は必ずバイオリンについた松脂をクロスで拭き取りましょう。

拭き取らず、しばらく放置すると、松脂は硬化し汚れが目立ってきた頃には、バイオリンに付着したまま汚れが取れにくくなってしまいますので注意です。

一度塗ったら毛替えまで同じ銘柄で

松脂は消耗品ですが、一般的には同じ松脂をずっと使いますので、違う種類・メーカーの松脂を上から塗り重ねることはあまりしません。

弓の毛も消耗品ですので、個人差はありますが毎日練習を欠かさない人の場合の毛替えは半年に1回の交換がおすすめで、その際に、松脂を選びなおす方も多いようです。

もちろん塗り重ねが悪いわけではありません。

ただし、松脂が混ざるためにそれぞれの製品が持っていた特徴が出にくくなってしまいますので、指先に伝わる感覚や音色の違いなど、比較検討に狂いが出ますのでおすすめはいたしません。

人によっては松脂が合わなかった場合にはアルコール等を使って、弓毛の洗浄を行う人もいますが、おすすめいたしません。


松脂がないと、いくらよいバイオリンやよい弓を揃えていてもよい音が鳴りません。

弓の毛にただ塗ればいいわけではなく、その種類や塗り具合で演奏や音色に差が出るものですから侮るなかれです。

幾つか試してみて自分が使いやすいと思った松脂を探してみましょう。

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