バイオリンを始める前のお客様から、こんな質問も受けることが多いです。
『バイオリンは高いイメージがあるのですが、どのくらいかかるのですか?』
ピンキリありますが、しっかり習うとなると他の楽器に比べて費用は高いように思います。
その「しっかり」のレベルに応じて費用が変わってきますが、合わせてお金の計算方法と同時に解説致します。
バイオリンでお金がかかる項目
最初に必要な物と、継続的にかかる費用がありますが、レッスンや教本代以外にも継続的にかかる費用がピアノなどと比べると思いのほか多いのが事実です。
最初に必要な物
- バイオリン
- 弓
- チューナー
- ケース
- 松脂
- 肩当て
継続的に必要な物
- 弓の毛替え
- 弦交換
- レッスン費用
- 教本や楽譜
必要に応じて
- サイズアップ時にバイオリン一式
- 駒の調整
- 魂柱調整
- その他メンテナンス費(修理/調整)
- 発表会費用
- コンサート等
バイオリンに掛かるお金の計算
どれだけ費用が掛かるか具体的に計算するにしても、初期費用と維持費用、そそいてバイオリンの場合、突発的に発生する費用も知っておく必要があると考えます。
初期費用(イニシャルコスト)
約10万円あれば充分
上限はこれ以上に、1桁2桁上がってしまう世界ですが、一般の方が販売する中古を買うより、流通量の多いブランドの新品か、専門のバイオリン工房にて整備されたユーズド品をご購入されることをお勧めいたします。
バイオリンをスタートするために必要な費用として5~10万円で充分に楽しんでいただけます。バイオリン本体、弓、ケース、松脂、肩当てがあれば基本的には大丈夫です。
維持費(ランニングコスト)
突発的な大がかりなメンテナンスを除いて、 レッスン費用を含めた年間で必要な費用を12カ月で割ってみると平均的にこのくらいです。
約12,500円/月(約15万円/年)
数字だけ見ると高く思うかもしれませんが、レッスン費用がほとんどとなります。
年間数量 | 単価 | 合計 | |
弓の毛替え | 2回 | 5,000円 | 10,000円 |
弦交換 | 2回 | 7,000円 | 14,000円 |
レッスン費用 | 12カ月 | 10,000円 | 120,000円 |
教本や楽譜 | 3冊 | 2,000円 | 6,000円 |
但し、弦は標準的なドミナントの金額となりますが、オリーブという弦や、オイドクサという弦など、ランクを上げればきりがありません。
高価な弦でしっかり練習し、交換頻度も3か月に一度くらいを想定し、ゆとりを持つなら、レッスン料を含めて年間20万円ほどを想定されると程良いかと考えます。
臨時費用
バイオリンの場合、この点が「想定外の価格」だったりします。
最も予定通りにいかないのが、子供の成長に合わせたバイオリン自体のサイズアップに伴う一式の買いなおしです。
サイズアップ時にバイオリン一式
松脂は、なかなか無くならないので不要ですが、バイオリン本体、弓、肩当て、ケースは、基本的にお子様成長に合わせて買い替えが必要です。
こだわりや、ステップアップを大きく望まなければ、10万円あれば大抵そろいます。
とはいえ、サイズアップするごとに先生の要求も、子供のスキルも高まってきますし、親心としては、それに伴ったバイオリンをと思うのが当然です。
その価格にはキリがありません。
駒の調整
駒は倒れ、割れ、弦の過度な食い込みなどの修復が必要となる場合がございます。多少の調整は2,000円程度で、バイオリンに合わせて新調すると、6,000~8,000円程とお考え下さい。
魂柱調整
魂柱(バイオリンの中に立っている柱)は、倒れたりズレたりすることがあります。
これを簡易調整したり、立て直したりする程度の処理ですと500~1,000円程度ですが、削り込みが必要だったりすると2,000円程、バイオリンに合わせて新調される場合は7,000円くらいはかかってくることもございます。
その他メンテナンス費(修理/調整)
バイオリンが割れてしまったり、膠が剥がれてしまったり、ペグが周りにくなったりと、メンテナンスには沢山の種類があります。
数千円で出来る処理もあれば、数万円かかる処理もあり、場合によっては買い替えをされる方が良いのではという場合もございます。
発表会費用
近年では発表会費用が不要の教室もあったり、そもそも発表会はしないという教室もございます。
この費用の幅は大きく、0~20,000円ほどとなります。
音楽大学付属のスクールだったりすると大学のステージで演奏が出来たりすることもありますし、20,000円ともなれば、大きなステージやピアノ伴奏で演奏出来たり、ビデオ撮影月だったりすることもあるかもしれません。
コンサート等の自己研鑽費用
0円でも大丈夫とも言えますが、素晴らしい演奏を聴く事で得られることも多く、これには予算を付けるとキリがありませんが、経験に勝るものは無いとかんがえますので、費やした分だけ、跳ね返ってくると考えても良いと思います。
無用に背伸びをしたバイオリンを購入されるより、耳や腕を磨くことの大切さを体感できるポイントとなります。