バイオリンに左右はない
基本的にはバイオリンは右利きと左利きで別のものを使うわけではありません。
ただし、これはバイオリンが左右どちらでも使えるというわけではなく、右利きの人も左利きの人も左にバイオリンを構えて右手に弓を持って弾くということです。
利き手がどちらがよいかは一概には言えないことで、人によっては繊細な表現を行い弓が利き手のほうが良いという人もいますし、早いスピードで弦を抑えるバイオリン側が利き手のほうが良いという人もいます。
結局バイオリンは両方の手で別の動きをするのですから、どちらが有利とは言えないといわれます。
実際、左利きでプロのバイオリニストになっている人も珍しくありません。
矯正は必要?
バイオリンは左利きだから各段に不利、ということはないので、習うにあたってわざわざ利き手を矯正する必要はありません。
右利きの人は利き手で弓を持つことになりますが、左利きの人は利き手で弦を押さえることになるだけで、はじめからそれで習っていればそれが自然に身につくでしょう。
左利きの人の中には、部分的に右手を矯正していることも多いため両手を起用に使う人も多く、そういう人にはかえってバイオリンは向いているかもしれません。
バイオリンのためにわざわざ矯正する必要はありません。
左利き用のバイオリン
一般的には、ほとんど左手用のバイオリンは販売されていません。
これは、右手に構えて左手で弓をふるという意味での左利き用です。
バイオリンは見た目が比較的左右対称なので、どちらで持っても良いのでは?と思うかもしれませんが、やはり細かい構造の面では左で構えるように作られています。
本当に逆に持って弾くには、駒や指板の左右を変えるだけでなく、外からはわからない構造上のバスバーや魂柱の位置まで変えなければならないので、右手で持って弾くのはおすすめできませんし、本当に逆で弾くならオーダーメイドになるでしょう。
外見で違うもの
- 顎当て
- 肩当て
- 駒
- 指板の角度
- ペグボックスも厳密には交互が逆
内面的な違い
- バスバー
- 魂柱の位置
実際に左利き用のバイオリンを弾いているところを見ることはほとんどありませんが、チャップリンが逆の手にバイオリンを持って弾いている映像が残っていることは有名です。
左手用で引くデメリット
オーダーメイドで作ってでも左手で弾いたほういい、という人もいるかもしれません。
しかし、左手用で弾くということは、他の人と逆の動きになるということです。
そのため、オーケストラでは受け入れられないことも多いです。
ひとりだけ動きが揃わないと見栄えがよくないということもありますし、腕が当たって危険ということもあります。
ある程度弾けるようになってから右から左に持ち替えるのは難しいので、できればはじめから右利き用のものを使って練習しておいたほうがよいでしょう。