バイオリンのf孔の形についての豆知識を知ると、もっと好きになる

バイオリンを演奏されている方のなかにも、f孔が装飾や魂柱の調整口の役割だけであると考えている方も多いようですが、実はもっと奥が深いものなのです。

想像してみてください、バイオリンにf孔が無かったり、ギターのように丸い穴だったとしたら、上品さに欠けますよね。

本題は美しさ以外にもあります。

バイオリンのf孔ってどこかわかりますか?

バイオリンをこれから習ってみたい、または購入する予定があるという場合に、まずはバイオリンの名称についての基本知識としてお話ししますね。

すでにバイオリンを演奏しているという人は、もちろんご存知だと思うので次の章へお進みください。

バイオリンというと、どうしても音色に興味が行ってしまうのですが、実は形というのもとても重要で、バイオリンを製作する職人にとっては、いかに美しいバイオリンを作ることができるかが大きなポイントなのです。

そして、そこで重要視されるポイントの1つにf孔があり、タイトル写真の通り、バイオリンの左右にある、バイオリンを中をのぞく事が出来る個所のことを指します。

f孔の役割

ここからf孔の大切な5つの役割を解説していきたいと思います。

  • 楽器の音色を左右する
  • 芸術性を高める
  • 駒の位置を確認する
  • 作者を特定する
  • 魂柱調整など点検口

楽器の音色を左右する(f孔が音の為の最適な形状)

f孔は、楽器の音色を左右するパーツで、バイオリンだけでなく、ビオラやチェロ、コントラバスなどの表面にもついている共鳴孔の役割を担っています。

以前はこの孔の形は、fだけでなくSやCもありましたが、音の強さや響きはfが一番適しているということで現在の形になったようです。

バイオリンの音を左右する大切なパーツといえますね。

参考までに、下記にf孔と音量や時代変遷の関係を研究した論文を掲載させて頂きます。

→ 参考論文(英語) The evolution of air resonance power efficiency in the violin and its ancestors

芸術性を高める(f孔は職人の腕の見せ所)

バイオリンの表面を見ればわかりますが、f孔はその形に開けられた穴です。

バイオリンを製作する工程の中で、職人の集中力と腕が試されるところなのです。

確かに、表面にfの形の穴をあけしかもそれが左右対称でなくてはならないというのは、熟練の職人でなければ不可能に近い作業です。

表面にf孔のトレースをして、その上から糸のこぎりでカットする。

あとはナイフのみで丁寧に仕上げるのですが、形が崩れたり切りすぎたりすると、良い音が出なくなってしまい、見た目にも影響が出ますから、本当に慎重な作業なのです。

駒の位置を確認する(一見fに見えないが地味にf)

でも、この形って本当にfですか?とよく聞かれます。

細長いSじゃないですか?という人もいますね。

でも、これはfなのです。

よく見てください、真ん中に横棒のようなチョンチョンがありますよね。

この部分はナッチと呼ばれていますが、fに見せるためのものではなく、「Stop length」の位置を示すための目印になっているのです。

これはフルサイズバイオリンのボディのトップから19.5㎝の位置で、そこに駒を立てるのが基本となります。

ナッチがあるからこそ、駒を立てる位置がすぐにわかるというわけです。

これもfの役割といってもいいですね。

作者を特定する(f孔はバイオリンのモデルで形が違う)

バイオリンのf孔は、どれも同じ形ではありません。

実はモデルで全く形が異なり、バイオリンなどの鑑定をしている人は、このf孔の形や大きさを見ただけで、モデルや製作者が分かるというのですから驚きです。

上記の写真でもわかるように、ガルネリは細く長く何となく攻撃的な形状をしており、ストラディヴァリは丸みのある柔らかな印象を受けます。

魂柱調整など点検口(バイオリンドクターが楽器の状態を知る術)

皆さんも、バイオリン工房で魂柱調整をしているシーンを見かけたことがあるかもしれませんが、f孔から魂柱を差し入れ、魂柱ハンマーで微調整するドクターとバイオリンをつなぐ大切な点検口の役割も担っています。

それだけf孔は、バイオリンにとってなくてはならないパーツということが分かりますね。

音色だけでなく、こうしたいろいろなパーツについても知っておくと、バイオリンをもっと好きになるかもしれません。

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