初心者が選ぶべきバイオリンの価格相場や新品か中古かについて

  • 2020年1月23日
  • 2020年1月25日
  • コラム
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バイオリンは使用されている木材の質によって、価格がピンからキリまであります。

初心者の場合、いきなり高価なバイオリンを購入する必要はないですが、それでは初心者にとって、一体どれくらいの価格のバイオリンが適切なのでしょうか。

また、ユーズドのバイオリンか、新品のバイオリンか、どちらを買うべきなのでしょうか。

こちらでは、価格と新品と中古の関係などを含めて解説していきたいと思います。

バイオリン価格相場

バイオリンの価格は安いものだと1万円未満、高価なものだとストラディヴァリウスのように数億円するものまで存在します。

これだけ価格帯が広い楽器ですから選ぶのに迷ってしまうのも当然で、正直なところ、これが取っつきにくい理由の1つとなっているのも事実です。

価格帯と特徴について

初心者におすすめのバイオリンは、一体どれくらいの価格で販売されていて、どのように違っているのでしょうか。

バイオリン全体の価格を見ながら、探っていきましょう。

1万円未満

わかりやすくお伝えすると「おもちゃ」のようなものとなります。

いくら初心者といえども、このレベルのバイオリンを購入してしまっては、音質の悪さや、使いにくさから、バイオリン自体が嫌になってしまう危険性がありますので、おすすめできません。

楽器店で、この価格帯を取り扱うところは、ほぼ無いと思いますが、これからバイオリンを始めたいのですが、というお客様に、予算の関係で…となったとしても、この価格帯のバイオリンをオススメするお店はいただけません。

1〜10万円

初心者が一番購入しやすいのが、この価格帯でしょう。

量産品が多く、テールピースや顎当てなどのパーツがプラスチックだったり、楽器店の中では多少は言って見劣りしてしまいます。

しかし、まずはバイオリンに慣れていきたいと思うのであれば、これくらいの価格から始めてみると良いでしょう。

10〜30万円

この価格帯だと手工品であることが多く、かなりしっかりとした作りとなっています。

中級者はこのクラスのバイオリンを購入するケースが多いですが、初心者でも、最初から良質のバイオリンに触れて、自身のバイオリンライフを長く共に過ごしたいと思うのであれば、この価格帯のお品の購入してみてみると良いのではないでしょうか。

このクラスくらいになれば、わかりやすくバイオリンの個性が出てくるので、自分にマッチしたバイオリンを選ぶ必要が出てきます。

音色で選ぶといった点からいうと、中級者向けともいえるかもしれません。

50〜100万円

このクラスだと最高品質の木材が使用されていることが多く、中上級者向けのバイオリンであると言えます。

職人へのオーダーバイオリンもこの価格帯から出始め、本格派のバイオリンを手にすることが出来る価格帯ともいえるでしょう。

100万円以上

熟練した工房が作成しているレベルであり、バイオリニストであれば、ぜひ弾いてみたいと思うレベルのものとなります。

1,000万円以上となると、資産価値もある楽器となります。

また、このクラスとなれば、作者が楽器に求める音色の方向性がはっきりしていることが多く、個性的な音色を持っていることが多いので、弾きこなすには、高い演奏技術とあわせて、相性も非常に大切なポイントと言えるでしょう。

新品と中古の違いについて

私の工房でも、お客様から、『古いと音が良いのですか?』や『弾き込んでいた方が良いですか?』と、様々な質問をいただくケースが多いです。

確かに、古い楽器と新しい楽器では音色が違ってくるのも事実ですが、初めてのバイオリン選びで、知っておくべきは中古バイオリンのリスクです。

これらのリスクを、よく理解し、回避できうる環境で購入されることが、失敗しないバイオリン選びに繋がります。

バイオリンを中古で買うリスク

特に、オークションなどで、個人から購入する際は、大抵、いずれかのリスクを非常に高い確率で内包していますので、販売者の信頼性やお品が確かな状態かを見抜く力が必要です。

  • 膠が剥がれている
  • 弓の毛がボロボロ
  • 弦が伸びきっている
  • 魂柱が倒れていたり適正な位置にない
  • 駒が曲がっている
  • 虫食いやカビのコロニー形成が進んでいる
  • 板が割れてしまっている

個人の方がインターネットで、使い古した弦楽器を販売する際には、上記のトラブルに気づくことなく、悪気なく販売しているケースも非常に多いので要注意です。

実は新品でも同様の注意が必要です

残念ながら、専門店でない限り多くの楽器店で見受ける光景ですが、「この楽器が良いです!」とお客様が言うと、そのまま手渡ししてしまうお店での購入は非常にリスクを伴います。

バイオリンの状態の確認や調整について専門的な知識を持たないまま販売しているケースが多いからです。

中古を買うメリットも大きいのは事実

バイオリンを中古で買うリスクはしっかり回避する努力はすべきですが、それが回避できる状態で中古を購入することは非常に大きなメリットがあります。

  • 安価にワンランク上のお品が購入できる
  • 状態によるところが大きいが渇きの良い楽器を手にすることができる
  • オススメしませんが安価なため試しに購入ということもできる

自分にあったバイオリンを探そう

これらをトータルで考えると、しっかりメンテナンスがなされていることを前提に、安価にワンランク上のお品を手にすることが出来るユーズドで、3~10万円程のバイオリンがおすすめです。

最初から更に良質なバイオリンをとお考えの場合は、それ以上のバイオリンもおすすめですが、ユーズド市場では非常に高いリスクを伴いますので、専門店にてアドバイスをもらうことをオススメいたします。

これからバイオリンを始める皆様にとって、素敵なバイオリンとの出会いがありますことを願っております。

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