バイオリンを始められる前に「絶対音感」でつまづかれる方がいます。
バイオリンの優雅で格式を重んじるイメージの楽器だとどうしても必要だと思っている方が多いです。
確かに音楽は絶対音感が有利な分野もありますが、声楽など、絶対音感があると困ることも多いです。
では、バイオリンはどうかでしょうか。
こちらでは、バイオリニストにとっての絶対音感の必要性について解説していきたいと思います。
バイオリンに必要なのは相対音感
実は、絶対音感はバイオリンの世界では絶対条件ではありません。
あってもなくても、大丈夫です。
もちろん元々の音楽経験や絶対音感のポテンシャルは、バイオリンを弾く際に役には立ちます。
だからといって「自分には絶対音感がないし、音程をとる自信が無い」と言ってバイオリンを諦める必要性はありません。
まれに先天的に音感がない場合もあるようですが、大体の人は少なからず音感を持っています。
その音感はバイオリンの練習を繰り返す内に段々と備わってくる場合がほとんどとなり、後天的に備わる必要のある音感は、絶対音感ではなく、どちらかというと相対音感となります。
後天的に習得するための方法としてピアノを同時に習う方法がありますが、そのことについては下記の記事がおすすめです。
例えば絶対音感とは1音弾いて「ド」だと当てるような、単独の音名を当てられる能力のことを言います。
バイオリンでは旋律の表情に着目した演奏をします。
1音だけ切り取るのではなく、前後の音に合わせて音程が変化する場合があるのです。
和声パートでは音を低くとることもあります。
時には、そのメロディがよりロマンチックに聞こえるように音を実際より高く抑えることもままあります。
自分が心地良いと思える音程を育てる事がバイオリンをする上で必要な音感と言えるでしょう。
実際に著名な演奏家の中にも絶対音感を持っていない人は多くいます。
逆に絶対音感を身につけると微妙な音程差の区別が付きにくくなる場合もあるようです。
かといって音程を重視していないわけではありません。
音程については厳しく指導され、高ければ高いとハッキリ言われます。
実際に弾けているつもりでも、録音してみると正しい音になってない場合もあります。
頭の中で1音1音の音程を浮かべ狙いを付けて引く必要があります。
正しい音程、正しいボーイングは音色の上達にも繋がります。
そういった練習を続けていく中で「いい音色」がつむがれ、バイオリンに必要な音感ができあがっていくんです。
ですから絶対音感は必要な条件ではありません。
むしろ絶対必要なのは「練習」の一言に尽きるでしょう。
音感につまづく前に、まずは弾いてみることが大事なのです。