みなさんは「靴を履いてバイオリン演奏できますか?」と聞かれると、「はい。演奏できます。」とお答えになるかと思います。
バイオリンの演奏会や発表会というと、演奏者がステージの上で見事な演奏を披露する情景がうかびますよね。
日本の場合、バイオリンの練習をする時はあまり靴を履きませんが、演奏会になると本番用の靴を履き、この時に足元に普段とのギャップが生まれます。
仮に、土足のままのレッスンが可能な環境に通っていたとしても、スニーカーなどの動きやすい靴を履いてのレッスンとなることでしょう。
実は、この点、非常に重要なポイントです。
こちらのページでは、バイオリン演奏における靴の大切さについて解説してまいります。
本番と練習の違いが出てしまうのは靴のせい?
日本人の場合、本番と練習で演奏に、緊張以外の点で若干の違いが出やすいといわれています。
当工房のお客様であられるバイオリン教室の先生方へ、靴のことについて尋ねてみたところ、下記のようなご意見が多かったのでご紹介いたします。
バイオリンの演奏会では、ステージに上がりますから当然靴を履きますよね。
しかも、その時の靴となると、普段は履かないものになっているはずです。
履きなれない靴が、演奏に集中できない原因になって、本番と練習の違いが出てしまうかもしれないとのこと。
特に、子供さんの場合には、緊張のほうが多く、靴が影響の一部とは気が付かないでしょうが、「靴がいつもと違うこと」が「普通の状況ではない気持ち」になってしまう原因となり、いつもの実力が発揮できないことが多いというのです。
確かに、そういわれると思い当たることがあのではないでしょうか。
舞台になれる「場数を踏んで場慣れする」ことと同じように、衣装にも慣れる必要があるのです。
靴を履かずに演奏すると…
ある先生は、ご自分でも靴の違和感があったそうで、思い切って、あるステージで靴を履かずに演奏したところ「これだ!」と感じたそうです。
バイオリンに限ったことではありませんが、演奏は体全体で感じ取るものです。
他の楽器の振動などを足から感じるためには、靴を履かないこともポイントになると、先生はおっしゃっていました。
なるほどと思いましたね。
ステージから伝わるテンポやリズムは、靴を履くと違いが出るかもしれません。
とはいえ靴を履かずに出演することはできない…
では、バイオリンの演奏では靴を履かないほうがいいのでしょうか。
もちろん靴を履かずにバイオリンの演奏をしたほうがいいという方もおられますが、現実的に、靴を履かずにステージに上がることは、難しいことと思います。
靴を履くことで、バイオリンの演奏に支障が出るというのであれば、練習するときに本番用の靴を履いてみることで、それは解消するといえるでしょう。
靴を履いてバイオリン演奏ができますか?という質問をうけたことがありますが、それは練習の時からその靴を履いて、靴もバイオリンも一緒に練習やリハーサルを積み重ねれば、本番にはいつもと同じ演奏ができるはずです。
それに、靴を履いたから演奏ができないということはありませんから、自分のバイオリン演奏の中に必ず靴のことを頭においておけば、問題はないと思います。
ぜひ、発表会用の衣装や靴を履いての練習にトライしてみてください。