バイオリンのE弦が金色のものは音が良いのか?違いを比較解説

  • 2020年1月18日
  • 2020年1月18日
  • コラム
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バイオリンをスタートして、少しした頃から、先輩奏者や先生のバイオリンなどに金色のE弦が張られているのを見て憧れたものです。

当工房のお客様から「金色のE弦は音が良いですか?」と聞かれるケースが多いので、こちらでも回答させて頂きます。

結論としては、好みにもよりますが、音色は明るくハッキリしている発音が特徴的となりますが、コアの素材によっても異なってきます。

金色の弦と普通の弦の違いについて

まず、金色の弦といっても、実はコーティングされている金メッキの弦となり、コアは金以外のもので出来ています。

このことから、コアがどのような物かによっても大きく音色は変わりますが、相対的には、はっきりした音色になります。

ハッキリした明るい発音となる理由については、下記の普通の弦との違いについての、一つ目で解説させて頂きます。

  • 音色の違い(はっきりした明るい音色)
  • 錆の防止効果
  • 見た目のゴージャスさ

音色の違い

E弦にゴールドを使用したものを選ぶと、音にも違いが出てきます。

ゴールドの弦は明るく発音の良い音色が特徴ですが、けっしてキンキンした音ではない上品な明るさを感じる音色となります。

派手な音色が万人に好まれるわけではありませんが、見た目同様に、ゴージャスでパワフルな音を出せるのがE弦を金色にする特徴といえます。

音色の違いがうまれる原理

ゴールドを使うことによる音の違いは、音の本質に影響するものではなく、発音が良くなるものとお考えいただくと良いでしょう。

音の本質に影響するのは、あくまでもゴールドコートではなく、その中のコアの金属特性によりますが、発音が良くなる理由が下記の通りと考えます。

金属の硬度による違いからくる弓の食い付きの違いが影響したものと考えられ、金は金属の中でも柔らかく変形しやすいため、摩擦が起きやすい金属となり、明瞭な良い発音特性を生みだします

同時に、摩擦による引っ掛かりが良いと、E弦特有の滑りが軽減され、キンキン音のような異音が発生しにくくなります

このことから、金のように柔らかいアルミのコートなどが使用されているものも存在するのは、同様の特性を生みだすためと考えることができるでしょう。

錆の防止効果

一昔の前までの弦といえばとてもサビやすいという欠点がありました。

不純物が多かったりすることにより、張り替えて間もないのに経ったわけでもないのにザラザラしてしまい、場合によっては、それで指を切ることすらあったほどです。

これではとても気持ちの良い音色を出すどころではなくなってしまいます。

また、サビは弦の密度や剛性にも変化を与えるので、弦の倍音成分を乱してしまい、触った感触からだけではなく、本当に良い音が出なくなってしまうのです。

しかし、金(メッキ)はサビ防止効果もあるので、そんな欠点をカバーしてくれ、ゴールドコート以外の安価な弦でも、モノによっては安価なコアに錆びにくい素材のコートをしているものも増えてきています。

見た目のゴージャスさ

金は見た目からしてゴージャスな印象があるので、より一層バイオリンを素敵に見せてくれるのは間違いないでしょう。

例えば楽器店に行って弦セットを見た時、1本金色が入っているというだけで、その商品に目をやる人は少なくないのではないでしょうか。

金色の弦は、オリーブをはじめ、インフェルド、オブリガートなどさまざまなものがあり、その大抵は、高価のものとなります。

金といっても無垢の金というわけではなく、弦に金メッキを施しているだけで、高級な弦なら無垢の金が使われているのかといえばそんなこともありません。

無垢の金にはほとんど強度を期待できないことから、バイオリンの絃には不向きということで金メッキが施されており、発音特性を生みだすためと見た目のゴージャスさを演出しているのです。

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