バイオリンを屋外で持ち運ぶ際には注意が必要です。
通常、ケースに収めて運ぶことになるでしょうが、いくらケースに入っていても、コンクリートの地面に取り落したりすれば、破損の危険性があります。
人やモノにぶつかるなど、不慮の事故が起こる可能性もあります。
また、バイオリンは一般的にも高価なものというイメージが定着しているので、置き引きに合う危険性もあります。
バイオリンを持ち運ぶ際には十分な注意が必要です。
バイオリンを自分で持ち運ぶ際の注意点
バイオリンを自分の手で持ち運ぶ際には、まずケースの肩掛けストラップに注意してください。
故障や不具合が原因で、持ち運んでいる途中にストラップが外れる可能性があります。
また、人混みの中や狭い場所を移動する場合、ケースのハンドルやストラップを使って持ち運ぶと、あちこちにぶつけてしまうこともある為、ケースを建てた状態で抱えて運ぶ方が安全です。
鉄道での移動の際はできるだけ自分の前にケースを抱えて持ちましょう。
網棚に乗せるのは落下の危険性があるのでNGです。
バイオリンが破損するばかりか、他の人にケガをさせる危険性もあります。
特急列車などでは、隣が空席であればそこに置くことが一番安全ですが、そうでない場合は自分で抱えておくのが確実です。
飛行機で移動する場合は、事前にカウンターで機内持ち込みを申請し、機内に自分で持ち込んで運ぶことが理想です。
バイオリンを輸送する際の注意点
どうしてもバイオリンを宅配便などを使って輸送する必要が生じることもあるでしょう。
その場合は手に持って運ぶよりも、より注意が必要となります。
最も考えなければいけないことは、輸送中の振動・衝撃です。
弦の状態はチューニング時よりも若干緩めるくらいがベストです。
輸送中に弦が緩まないよう、糸巻きをきつく食い込ませておきましょう。
ただし、子ども用の分数バイオリンは元々弦の張力が弱いので、チューニング状態以下に緩めないようにしてください。
駒が倒れる可能性を考慮し、テールピース下にクッション材となるものを挟むか、テールピースにクッション材を巻いておきましょう。
輸送中にケース内の弓が所定位置から外れてしまい、バイオリン本体を傷つけてしまう可能性もあるので、本体の上に必ずカバーをかけ、弓が外れないように輪ゴムで止めてください。
ケース内でバイオリンががたつく場合は、バイオリンとケースの隙間にガーゼや新聞紙などを挟んで、がたつくのを抑えます。
小物入れの中の松脂も割れないよう、新聞紙等で抑えます。
ケースをそのまま宅配便に出すようなことはせず、ダンボール箱に収めて緩衝材で隙間を埋めるか、エアキャップを巻いてください。
ケース内とケース外のエアキャップの有無だけでも大きな違いが出るので、皆さんもご参考にしてください。