バイオリンなど楽器を歌うように奏でて楽譜通りに演奏しない表現について

  • 2020年1月21日
  • 2020年1月21日
  • 練習
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音色という言葉があるように音には「色」があります。

それは単に楽譜通りのリズムは表現記号で弾くことだけでは引き出せません。

もちろん、作曲家が心を込めて後世に残した贈り物である楽譜を忠実に再現することは大事なことです。

音符ひとつ、休止符ひとつをとっても無駄な記号は何一つありません。

そんな素晴らしい楽曲たちを、現代の世界で、より鮮やかに蘇らせるには、奏者自身の表現力が大切になります。

こちらでは、その表現についてのポイントを解説していきたいと思います。

歌うように奏でるための大前提

実技的な事の解説の前に、音楽は自由に音を楽しむと書いて字のごとくではございますが、聴衆それぞれの感覚にもよりますが、相対的に許容される範囲のルールの中で美しさを作り出すことが大前提となります。

しっかり旋律やテンポを理解し、表現の幅ではなく、芯を知り奏でることが大切です。

例を挙げると、芸人にモノマネまでされるほど、通常から大きく逸脱したように大げさに表現されがちな玉置浩二のビブラートやアドリブ、それが美しくプロのオーケストラのなかでも受け入れられる理由はそこにあります。

コンクールや発表会に向けての基本的な練習の核となる大切なルールですので、人前で演奏する機会がある方は、特に下記の記事がおすすめです。

そういった前提条件をベースに持ちつつ、楽譜ばかり見て機械的に演奏するのではなく、「聴く」「歌う」「想像する」という練習を経て、楽曲の表現の幅を広げていくことが、歌うように奏でる最短ルートとなります。

実際の演奏を聴いてみる

楽譜を手にして、いざ演奏する前に、是非、その曲が演奏されたCDや映像を探して聴いてみてください。

中には「他の演奏家の癖がうつる」であったり、「音符を見て曲がイメージできなければいけない」という意見もあります。

それももっともかもしれませんが、私自身は、そこにこだわりすぎる必要はないと考えています

練習しようにも曲の全体像がわかっていないと気後れして挫折してしまう場合もありますし、他の人の演奏を聴くことでその曲のもつストーリ-を自分の中で解釈しやすくなります。

クラシックはルールにこだわる面もありますし、曲を聴いていた方が譜面の読み違いや思い込みを解消できます。

CDであれば解説書がついてくることもありますし、昨今インターネットでも曲の詳細について詳しく書いてあるサイトもたくさんあります。

それと照らし合わせながら聴いてみるとより曲のストーリーを理解しやすいです。

大体のストーリーを理解したら、その次は是非、音を出してみることをオススメします。

実際のテンポよりかは遅くていいので、曲のイメージをしっかり自分の音で起していく作業が大事です。

曲の構想を把握した上で、楽譜を読み込んでいきます。

読み込んでいけば1回見たときは音に起こせなかった箇所も全体のイメージが出来てスムーズにメロディにすることができる場合があります。

もちろんそれでも危険な箇所は残りますが確実な手段です。

参考までに下記が聴くという練習についてのオススメ記事です。

自分で歌ってみる

バイオリンの練習なのに歌う必要なんかある?と思う方も一度は声に出してみることをオススメします。

歌にして感情を込めること、音色の「色」の部分が自然とわかってきます。

自分の強調したい部分や出したい表情を喉を震わせながら感じることができるのです。

抑揚のつけかたや、ヴィブラートの入るタイミングも直感的にわかってくる場合があります。

わざわざバイオリンを手放しての練習は遠回りに思えるかもしれませんが、むしろ効率的で、感情表現がしやすくなり、ぐっとバイオリンの音色の質をあげてくれる練習法です。

自分で歌うことに抵抗がある場合は、他の人の歌を聴いても良いです。

感情の出し方や発声の仕方などをそのままバイオリンの演奏にいかせます。

感情を乗せて自分の中から沸いてくるリズムを音にすると、楽譜とはまた違った味が出せるでしょう。

楽曲の世界を想像する

この練習は、上記の「歌う」「聴く」の中で、必ず意識していくべき点で、どれだけ短い小曲を聴くときも、音楽の中に込められた世界観に目をやってください。

これは、意識的に普段から行うことで、機械的に曲を弾くのではなく、歌うように曲の世界を作り上げる味に変わります。

  • この曲の中にはどんな風景が見えますか?
  • 悲しさや怒りや喜びなど、どのような思いが込められていますか?
  • その思いは、どのような時に現れますか?
  • その音楽の中は、どんな物語のシーンが思い浮かびますか?

これらを曲の中に感じて、曲に反映していくことは、多くの人生経験が必要となります。

どれだけ類稀なる優秀な実技スキルを持った若い奏者ていても、経験という年輪を重ねたベテラン奏者の表現にはかなわないのは、そういった事が影響するのでしょう。

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