ピアノとバイオリンを両方とも習うべき4つ理由

バイオリンを習うお子様をもつ保護者の方から「ピアノを同時習わせるかどうか」という相談を受けることが多いのでお答えいたします。

両方習うべきです。しかし、平等に両立しなさいとは言いません。

バイオリンとピアノ両立ができるか否かについては、別の記事でもご紹介させていただいておりますが、両方習うメリットは非常に大きいため、こちらのページで詳しく解説していきたいと思います。

両方とも習うメリット

ピアノとバイオリンを両方習うことによって得られるメリットは、音楽感覚の育成に非常に大きなメリットがあります。

両方に全力投球しなさいというわけではなく、どちらかメインの習い事の補助的な能力を習得するといったイメージで挑まれることをおススメいたします。

メリットは下記の通りでございます。

  • 伴奏者との意思疎通がしやすくなる
  • ピアノによる固定音の定着
  • バイオリンによる自由な表現力の定着
  • 選択肢の多様化

勿論、メリットばかりではなく、デメリットもないとは言えませんので、デメリットもメリットの後に記載しておりますのでご覧くださいませ。

伴奏者との意思疎通がしやすくなる

例えば、バイオリン奏者の気持ちがわかるピアノ奏者だと、フェルマータの後の入りや、呼吸合図、気持ちの良いタイミングなど、バイオリン奏者が伴奏に求めるものがわかったうえでピアノ伴奏が出来ます。

相手の思いをくみ取る能力は、音楽家として、非常に大きなスキルとなります。

ピアノによる固定音の定着

バイオリンだけ習っていると怖いのが、ドレミの音階に正確な境界線を引けなくなってしまうことです。

子供の発表会を見に行って、音がズレすぎていて、音程が不快だと感じたこともあるかと思います。

これは、ピアノのような固定された音階を知らずに、バイオリンに挑むとぶつかりやすい壁の一つが「音程の壁」となります。

言語に例えると、日本語にはない発音が多い中国語の聞き分けが、日本人には困難なのと同じでようなものです。

幼いころから音階を聞いていれば、おのずとわかってくるものです。

バイオリンによる自由な表現力の定着

逆にピアノにはない表現力として、人の声のように「ド」でもなく「シ」でもない、その間の音の表現など、ピアノの固定音を理解したうえで、バイオリンにしか奏でることが出来ない表現も多く存在します。

両方の感覚を知ることにより表現の幅がぐっと広がります。

選択肢の多様化

両方とも習っていると、万が一、一方がいやになったとき、もう一方を選ぶことができるという選択肢が増えます。

これは、「逃げ」ではなく、2個であっても3個であっても、選択肢が多いと、奏者の将来に選択肢が広がるというメリットです。

プロ野球選手の大谷翔平のように「二刀流」という選択肢も選べるかもしれません。

ですので、保護者の皆様は子供に対してこの選択肢を奪うことをせず、可能な限り選択肢を与えてあげてください。

どちらが、自分に向いているかを自身で判断できるようになった時、子供たちは、おのずと、どの道に進むかを選び始めるものです。

両方とも習うデメリット

  • 夫々の練習時間の減少

デメリットをあげるとするならば、それぞれの楽器の練習時間が相対的に低減するという事になります。

ただし、得られるものが多いのは事実です。

早い段階で、両方のトレーニングを行い、両方の基礎を学び、どちらに注力するかを選択することがおススメです。

ピアノとバイオリンを両方習ううえで最も大切な事

メリットやデメリットはありますが、これらを知ったうえで選ぶのは奏者本人です。

例えば、両方習っていたとして、お子様が、バイオリンをメインで続けたいと言ったとき、その本気度を見極め、本人の意思であれば、まずは、チャレンジさせてあげること。

それが一番大切なことです。

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