バイオリンの代表的な聖地といえばクレモナですが、ヨーロッパにはクレモナ以外にもバイオリンの聖地と言える場所がたくさんあり、バイオリン製作者や演奏家の方はもちろん、美術や芸術愛好家の方たちが世界中から訪れています。
こちらでは、クレモナ以外のイタリアの都市や、ドイツ、フランスにも多くの素晴らしいバイオリンを作る職人が集う都市をご紹介いたしま。
バイオリンの聖地を訪れてみよう!
バイオリンの聖地と呼ばれているヨーロッパの都市や町です。
下記のエリア以外にも多くの名工たちが集う街は存在しますが、こちらはでは、その一部をご紹介させて頂きます。
- クレモナ(イタリア)
- ミラノ(イタリア)
- トリノ(イタリア)
- ナポリ(イタリア)
- ボローニャ(イタリア)
- ミルクール(フランス)
- モンペリエ(フランス)
- フュッセン(ドイツ)
- アプサム(ドイツ)
- ミッテンヴァルド(ドイツ)
バイオリンの国イタリア
世界で最も有名なバイオリンの都市を持つイタリアでは、クレモナやミラノなどの多くの都市で素晴らしい手工バイオリンが作られています。
クレモナ
北イタリアの小さな町クレモナは、バイオリン発祥の地とされ、ストラディバリやその師匠であるアマティ、パワーのあるガルネリなどの名工が現代に伝わる名器を作った街となります。
ミラノ
1870年代にクレモナの名工チェルティの下で修業していたリカルド・アントニアッツィやレアンドロ・ビャッキがミラノに移り、スカラ座におけるオペラの流行と共にバイオリン製作が盛んに行われるようになりました。
オルナティやズデルチ、そしてズガラボットなど数々の名工を生み出しています。
トリノ
モダンバイオリンの幕開けはトリノからでした。
19世紀の最も優れたバイオリン製作者と称されるジョバンニ・フランチェスコ・プレッセンダがモダン・トリノ派を生み出し、ジュゼッペ・ロッカなど多くの弟子が彼に従事しました。
ナポリ
ナポリのガリアーノ家は18世紀に、最も多くのバイオリンを生み出した一族です。
4世代にわたり有能な製作者を生み出した家系でナポリ派の祖となりました。
ボローニャ
ボローニャではフィオリーニ家が、ポラストリ親子やビニャーミなど多くのモダンバイオリン製作者を育て上げました。
イタリアのモダンバイオリンの製作者たちはフィレンツェ、ローマなどにも工房を作りイタリア各地にバイオリンの聖地が広がっています。
フレンチバイオリンの聖地
フランスでは、N.リュポ(フランスのストラディヴァリウスと称される名工)が、ストラディヴァリウスを模したヴァイオリンを広め、フランスのバイオリン製作レベルを飛躍的向上させたと言われています。
ミルクール
シャンパーニュ地方のミルクールでは1800年代後半にバイオリン製作がスタートしました。
多作で知られるジャン・ジョセフ・オノーレ・デラゼイ、駒製作者のオベール・オーベルトや弓製作者のドミニク・ペカットとロジャー・フランソワ・ロッテなどを生み出しました。
モンペリエ
ミシュラングリーンガイドの三ッ星を持つ美しい都市モンペリエは、巨匠フレデリック・ショディエなどフレンチバイオリンの第一人者で有名です。
現在も多くの工房があり、クレモナやミルクールなどで修業を積んだ職人たちがモンペリエへ移り住む傾向が見られています。
弦楽器の一大産地ドイツ
フュッセン
フュッセンはディズニーのシンデレラ城のモデルとなったノイシュバンシュタイン城で有名です。
ドイツで初めてバイオリンを製作したガスパール・ティーフェンブルッカーをはじめ、オールドバイオリンの製作地として有名。
アプサム
オールドバイオリンといえば、チロル地方のアプサムも有名です。
アプサムを代表する名匠ヤーコプ・シュタイナーのバイオリンはモーツァルトが愛用したことで知られています。シュタイナーモデルはドイツだけでなく、イタリアにも影響を与えました。
ミッテンヴァルド
ミッテンヴァルドは、イタリアクレモナで修業したマティアス・クロツがバイオリン製作技術を伝えたことから、ドイツにおけるバイオリン製作地として栄えてきました。
1858年創立のバイエルン州立バイオリン製作学校では現在でも世界中から選ばれた若者がバイオリン作りの基礎を学んでいます。
クレモナで生まれたバイオリン製作の技術はやがてイタリアの他の都市へ、そしてヨーロッパ全体へと広がっていきます。
ヨーロッパ旅行を計画中であれば、ぜひバイオリンの聖地を訪れてみましょう。