弦楽器を習いたいと子供が言い始めたが、ピアノやお習字などのポピュラーな習い事と違って何をどうすればよいかわかりませんという方、多いと思います。
バイオリン工房を営んでいると、きまって、たいていの方から頂く質問がございます。そんな中から、特に多い質問をピックアップして一問一答で回答させて頂きます。
バイオリンについての質問トップ13
楽器についての質問
アジャスターはつけるべきですか?
これからスタートする方は、全弦へのアジャスター装着がおススメです。
テールピース内蔵型アジャスターがとっても便利です。
アジャスターはチューニング(調弦)をする際に音程の微調整を容易にするためのパーツで、E弦だけについている場合が多いですが、チューニングに時間がかかってしまっては、それだけで毎日の練習が嫌になってしまい、続かないなんてことも良く聞く話です。
弓の毛替えのタイミングの見極め方は?
弓の毛替えは半年に1度程度がおススメです。
「1年に一度しか変えません」や「サイズアップまで使い続けます」なんて方もおられるかと思いますが、練習すればするほど劣化し、演奏に良くない影響を及ぼします。
- 馬の毛のキューティクルの劣化(弦への食いつきが悪くなります)
- 摩擦によって毛が部分的に伸びる(均一なボウイングが出来ない)
- 毛の量が少なくなる(必要な時に十分な音量を出せない)
バイオリンの弦の交換タイミングがわからない
毎日、しっかり練習される方は、バイオリンの弦の交換は3~4か月に1度がベター。
弦を交換せずに放置すると、音に影響するだけでなく、実は少し危なかったりします。
- 弦の芯(コア)を取り巻く外装が劣化しささくれると指を怪我することもあります。
- 弦は伸びてしまいます(音が小さくなったり、強く弾くと安定しなくなったりします)
古いバイオリンって良いですか?
ただ古いバイオリンが良いというのは嘘です。
バイオリンの歴史的価値の観点だけでいうとストラディバリなどのように古くて良いとされる銘柄は価値があるとされますが、演奏の観点では全く異なります。
しっかりメンテナンスされていていない古いだけの楽器は良い銘柄であっても使い物にならず、調整されていない古い楽器を譲り受けてしまっては、メンテナンス代金だけで数万円または数十万円掛かるなんてこともしばしば御座います。
肩当ては使わなくていいですか?
肩当てが自分に合わない場合は無理に使用する必要は御座いません。
ただし、バイオリン本体へ直接触れる事を考えると、演奏後は汗や皮脂などを丁寧に拭き取ってあげることを忘れないようにしてください。
肩当ては、バイオリンを構える時に安定させる役割を担いますが、顎当てと同様にフィットする肩当てに出会わなければ、逆に演奏しにくくて嫌がるお子様も多いことは事実です。
練習についての質問
普通3歳から始めると聞きましたが大人では遅いですか?
習い始めの年齢は早い方が良い場合と悪い場合、両方ともに一長一短ありますが、大人になってから始められる方も多く、実際に当工房のお客様では2年目には趣味のインストバンドでライブ活動をされている方もおおられます。
ピアノは一緒に習うべきですか?
メリットもデメリットもありますが、両方習うメリットは非常に大きいです。
詳しくは下記の記事にて記載していますが、主なメリットは下記の4点です。
- 伴奏者との意思疎通がしやすくなる
- ピアノによる固定音の定着
- バイオリンによる自由な表現力の定着
- 選択肢の多様化
家族に音楽をしている人がいません。教えれるか不安です。
安心してください。家族がバイオリンを教えれるに越したことはありませんが、基本的に保護者の方はバイオリンを教える必要ありません。
家族の大切な役割は「練習をすることの大切さ」や「継続の大切さ」を教えることが大切です。
練習面でチェックすべき点等については、レッスン同席の際に先生の注意点を良く聞いていれば明確にわかります。(先生は子供でも理解できるように教えているので安心してください。)
楽譜が読めないのですが、大丈夫ですか。
バイオリンを始める時に楽譜が読めなくても大丈夫です。
楽譜を渡されて即時演奏なんてプロの世界です。
宿題に出た曲は、地道に譜読みを自宅でしながら練習して、レッスンでは譜読みが終わった状態で迎えると、自然と楽譜に慣れて、譜読みが早くなります。
先生の言う通り練習をしてくれません。どうすべきですか?
バイオリンを練習をしない理由を確認しよう。
練習の習慣づけは下記の記事でも詳しく書いていますが、そもそも練習しない理由が、バイオリンを続けたくないのか、曲が嫌いなのか、曲にスキルが追い付いていないのか、練習を妨げる誘惑があるのか、など、理由を明確にして練習する習慣を付けましょう。
その他についての質問
発表会などでの伴奏者への謝礼はいくら払えばいいですか?
コンクールや発表会で、自前で伴奏者に依頼する場合の謝礼は1万円~とお考え下さい。
伴奏者のランクや権威性の高いコンクールですと、それだけ求めるものも高くなり、ともなって謝礼も高額になりますが、近年は教室の発表会くらいですと、スクールや先生のお抱え伴奏者が用意されていて、費用は発表会費用や月謝に含まれていることも多くなり、余計な思考ストレスは減りつつあります。
先生から、買いたくない楽器を薦められます。
この答えは明確で、買いたくない楽器は断りましょう。
仮に断って、違う楽器を自前で購入した結果、先生の対応が変わるようであれば、それは、先生の指導方針を疑うべきだと考えます。
勿論、よほどにダメな楽器を自分で選んでしまうのは良くありませんが、先生が教えるべきは演奏方法です。
世界のウィーンフィルは日本人のプロ奏者たちより相対的に安価な支給された楽器で演奏してますが、彼らの指導者の指導技術が確かなため、奏者として大成し、世界を感動させる音楽を届けることができるのです。
先生と相性が悪いのです。どうすべきですか?
バイオリンの先生と相性が悪い理由が重要なポイントです。
音楽は書いて字のごとく「音を楽しむもの」で、楽しくなさそうな状況であれば続けるべきではないと考えますので、環境を変えることも一つの大切な手段で、その行為は決して妥協ではありません。
当工房の看板娘も今の先生と出会うために数件のバイオリン教室へ体験レッスンに行き、子供の顔つきが教室によって大きく違う事を実感し、今の先生と出会いましたので、皆様もお子様が楽しくない理由を観察してみると良いでしょう。
まずスタートは楽しく続けれることが一番で「好きこそ物の上手なれ」です。