結論から、基本的には緩めない方が良いです。
バイオリンの使用後に弦を緩めるべきか否かについては色々意見もありますが、普段から使用するこ戸を前提に考えると、大抵の場合、下記の理由から「緩めない」方がいいです。
弦は通常時は基本的には緩めない
- 弦の劣化軽減のため
- 駒ずれの原因を防ぐため
- 魂柱が倒れる可能性があるため
緩めたり締めたりの繰り返しは弦に負担をかけ傷めやすくしてしまうからです。
場合によっては楽器にも影響が及びます。
場合にもよりますが基本的に弦は演奏後も緩めずにいた方がいいでしょう。
緩めておいたほうが良い例外
いくつかの場面では、弦を緩めて置いた方がいいこともあります。
楽器の状態が不安定な場合もそのひとつです。
古く表板に歪みが生じていたり、新しくても表板の強度が心もとない場合は弦を若干緩めておいたほうが良い場合もあります
チューニングのピッチを442Hz以上で設定している場合も、念のため緩めて置いた方がいいです。
長期保管時の弦の緩める緩めない賛否
長期保管の場合は意見が分かれます。
バイオリン初心者や扱いに自信の場合は手を触れずそのままにしておいた方がいいでしょう。
環境によっても弦の緩みや緊張、楽器への負担は大きく変わってきます。
特にガット弦は湿度に左右されやすく、伸縮が激しかったりもします。
実はガット弦自体に環境に適応して負担を分散しようとする働きがあります。
場合によっては環境に適そうとして糸が緩み切ってしまったりもします。
スチール弦は張力が強い分、こちらで弦の緩みを管理しすぎると楽器に負担がかかったりします。
保管時に気を使いたいこと
色んな要素が組み合わさっているためバイオリンの保管には神経を使います。
保存前にはペグを強く食い込ませてなるべく調整した時点の弦の張り具合を維持できるようにしておきましょう。
ペグ穴も環境によって急激に緩む場合があるからです。
そもそも、「少々弦が緩んだくらいで何なの」と思われる方もおられるかもしれませんが、弦が緩んでしまうということはバイオリンにとって致命傷になりかねません。
理由はバイオリンの要である駒が倒れてしまう可能性があるからです。
駒は張っている弦の張力によって立っています。
弦がゆるむと当然倒れてしまうわけです。
駒が倒れてしまうと今度こそ素人ではどうすることもできません。
駒は魂柱との兼ね合いで位置が決まるため、何となくでは直せません。
駒は音色にとっても非常に大きな役割を担っています。
そのため、非常に神経質にならざる負えない部分です。
弦は駒を抑えています。
保存前の張り方によっては、保存期間中に弦が伸縮し、倒れないまでも歪んでしまう可能性もあります。
また取り出したときにベストな状態でなるべくすぐ弾きだせるよう心掛けておく必要があります。
長期保存をしておいて、また弾きたいという場合、バイオリンの購入場所やお世話になったバイオリンの先生等に相談することをおススメします。