今回は、皆さまからのお問い合わせ管理をしている事務経理担当の成瀬がお届けいたします。
毎日、お客様からタサカ工房長にいただく問い合わせメッセージは、私、成瀬があとから取りまとめをしているのですが、その中でもお子様の習い事についてのメッセージは非常に多いです。
習い事の質問の中でも、バイオリンのお金についての質問の次に多いのが『バイオリンとピアノの両立は難しいですか?』というものです。
結論からお答えしますと、ピアノとバイオリンの両立は可能ですが、いずれは、本人が優先するもののパーセンテージを決めて行動する必要があります。
こちらでは、両立に悩む保護者様のお気持ちや理由とともに、どちらかの選択に迫られた時の正しい対応について、タサカ工房長に聞きながらへ質問形式でお答えしていきたいと思います。
保護者が両方させるか悩む理由はさまざま
皆さま、具体的なことで悩まれている方もおられれば、漠然とどうしようかと悩んでいるという方まで様々ですので、ここでは日々寄せられるご質問の中からおいものをピックアップしてみました。
Q:両立に悩む理由は何が多いですか?
A:以下がバイオリンとピアノの両立を悩む理由ベスト5です
ご家庭ごとにピアノとバイオリンの両立について悩む理由は様々で、結局のところ、多くの場合はお子様のためを思って悩んでおられることがほとんどです。
- 子どもが混乱しないですか?
- どっちつかづにならないですか?
- 勉強が疎かにならないか?
- お金が払っていけるか心配です
- 両方習ってメリットありますか?
Q:子どもが演奏法方法の違いに混乱しませんか?
A:安心してください、想像以上に子供は器用なものなのです。
このご質問は想像以上に大きいですが心配ありません。
子供は言語を知らない状態で生まれ、3~5歳くらいで一般会話をマスターしますし、同時に“おもちゃの遊び方”や“場の空気の読み方”や“簡単な文字の読み書き”などマルチタスクで学んでゆきます。
その膨大な学習量と比べると、ピアノとバイオリンの2つが追加されても甚大な影響はないといえるでしょう。
Q:ピアノとバイオリンどっちつかづにならないですか?
A:次の章で、両立時点での注意点についてご紹介しますが、スタート時点では『どっち付かず、大いに結構』という気軽な考えでスタートをお勧めします。
現代社会は、“パラレルキャリア”、“副業時代”、“終身雇用時代終了”など、大きな局面にあるといわれています。
たしかに、1つのことを貫いてトップに立つという経験は素晴らしいことですが、その1つの経験ラインから反れた時にでも、多くの経験をしていることが後に繋がりますし、本人がやりたいといったことであれば、なおさらトライさせてあげるべきと考えます。
どっち付かづに成る成らないではなく、経験出来た出来ていないで考えると、経験出来たほうがいいですよね。
Q:両方習って勉強が疎かにならないか?
A:この質問には、親が求める勉強量や子供が求めるものによるところが大きいですので、一概に100%疎かになりませんとは言えませんが、1日に無理なく20分程度の練習をする時間があるというなら問題ありません。
ピアノやバイオリンのプロになることを目指しているわけでなければ、1日にピアノ20分とバイオリン20分の練習時間はありますよというご家庭であれば問題ないかと思います。
もし、そんな時間が全くありませんというご家庭におかれましては、お子様に課しているタスクの選別をしてあげるべきかもしれません。
Q:お金を払っていけるか心配です
A:この点について、とある音楽教室のホームページに『ある程度のお金は覚悟してください』とだけ書かれているのを見たことがありますが、両立にもたくさんの手段がありますので、絶対あきらめてはいけません。お金に覚悟を…という意見を全否定するつもりはありませんが、今となっては昔ほどハードルが高い習い事ではありません。
ピアノ一つより、バイオリンも習えばお金がかかるのは当然なのに、あなたが悩まれている理由はどうしてですか?
そう、『お子様に習わせてあげれっるものであれば習わせてあげたい』という、あたたかいその気持ちがあるからではありませんか。
近所には高いバイオリン教室しかないという方は、カフェトーク(オンライン教室検索サイト)などのオンラインサービスを使って、安価にオンラインレッスンを受講することが可能です。
一昔前には、バイオリンを買おうと思えば給料1か月分なんて言われた時もありましたが、今ではバイオリンをフルセットで数万円で購入できますし、保険付きレンタルでバイオリンを手にすることもできる時代です。
弦や各種パーツも安価で良質なものが流通するようになりました。
Q:両方習ってメリットありますか?
A:別の記事でも取り上げた話題になりますが、バイオリンとピアノを両方習うことのメリットは非常に多いです。
- 伴奏者との意思疎通がしやすくなる
- ピアノによる固定音の定着
- バイオリンによる自由な表現力の定着
- 選択肢の多様化
参考までに、ピアノとバイオリンを両方習うメリットについて詳しくまとめた記事のリンクを貼っておきますので、ご覧いただけると幸いです。
両立の際の注意点
ここまでの記事を読んで「よし!両立してみよう!」と思った方も「あと一歩踏み込めない」という方も、この注意点を事前に知っていただいて、まずは出来ることから取り入れてみてください。
注意1:子供に選択権を与える
この点は、多くの保護者の方々が、気が付けば忘れてしまっているという点ですので要注意です。
子どもが何かをしたいと言っていたり何かで悩んでいると、保護者が子供以上に悩んでしまって、いつの間にか保護者が考えて保護者が導き出した答えを子供に強要しているなんてことありませんか。
この強要は大前提でNGだと思ってください。
習うのか習わないのか、辞めるのか辞めないのか、諦めるのか諦めないのか、本人の意思を確認することを忘れてはいけません。
注意2:両立といってもバランスは後々考える必要あり
ピアノとバイオリン、学習塾とスイミング、何にしても、スタートしてみて、本気で取り組めば取り組むほど時間を圧迫してしまうは事実です
スタートする時点では、何が本人の適正に向いているかや、はたまた求めずとも才能が開花するものがあるのか、いずれ本人が何を選択するかはわかりません。
まずはスタート(チャレンジ)してみて、その後の状況や本人の希望に応じて、バイオリンピアノや塾等のパワーバランスを子供と相談しながら、それぞれの習い事や勉強とのバランスを調整していくことが必要です。
また、それらの時間配分が飽和状態に近づいた時の見極めやマネジメントという点に保護者が手を差し伸べてあげることも重要なポイントです。
こうした親子の協力/相談の中で、例えば今までは1(ピアノ):1(バイオリン):1(学習塾)だった力の入れ具合を、状況や本人の希望に合わせて2(ピアノ):3(バイオリン):5(受験勉強)にするなど、バランスをとっていくことが大切です。
注意3:それぞれの相関関係を想像させる
このポイントは、上記の注意点2を考えるうえでも大切ですが、何かを行動又は選択すれば、それに伴って何かが変わるということを子供にも意識させることが大切です。
『そんなこと、子供が考えることじゃない』と思った方もおられるかもしれませんが、これから人生で数多くの選択を迫られることになる子供たちには必須の能力です。
物事を単発で言われるがまま実行するだけでなく、考えをもって物事を選択するために、行動理由や何らかの信念や決断を導き出す力を養っておくことは非常に大切なことなのです。
近年はやっている習い事であるプログラミング教室で学ぶ思考法より、もっと創造的で選択肢の多い思考法を身に付けることができます。
例えば、
- ピアノとバイオリンの時間を減らせば塾の時間を捻出できるが、音楽から心が遠のく可能性がある
- ピアノなどの音が固定された楽器を習っていればバイオリン演奏中の音程の修正が容易になる
- どちらも辞めたくないが中学受験のために5~6年は塾に集中したいから一時的にピアノとバイオリンのどちらかを辞める(または両方辞める)
と、いうように、保護者はこうした選択と理由を子供に問いかける事で子供の答えを導いてあげると良いでしょう。
既に生活の一部となりつつあるAI時代では、簡単な行動や作業はAIが効率よく勝手にこなしてくれる時代で、AIが簡単に処理してしまう作業は人間には必要なくなります。
AIでは思いつかない、相関関係や何が起こるか想像して次のステップを創造するクリエイティブな力が必要な時代です。
まとめ
バイオリンとピアノの両立について、多くの方が、様々な理由で悩まれているかと思いますが、子供たちには無限の可能性が広がっています。
その可能性を、より大きなものにしてあげるためにも、まずは何事にもチャレンジさせてあげること、それが大切なことと思います。
下記の記事でもご紹介しましたが、親が決して奪ってはいけないもの、それが子供のチャンス(チャレンジする機会)です。
そのチャンスを広げてあげて、そしてそれらを選択する権利、それを決して子供たちから奪わないこと、それが子供たちを大きく成長させるカギになることを大人たちは決して忘れてはいけません。