バイオリンの肩当ては必要?不要?

  • 2020年4月9日
  • 2020年4月10日
  • コラム
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16世紀に北イタリアで誕生したバイオリンですが、その次代のバイオリンには顎当てや肩当てはありませんでした。

肩当てや顎当てが用いられるようになったのは19世紀以降、いわゆる「バロックバイオリン」から「モダンバイオリン」への移行期でした。

現代では、音色にこだわるため、一部のプロの演奏家が肩当てなしのバイオリンを使用することもありますが、肩当てを付けて演奏することが一般的となっています。

バイオリンに肩当てが必要な理由

バイオリンに肩当てを装着する目的は、演奏中に楽器を安定してさせることにあります。

肩当てのないバイオリンは顎や肩、鎖骨に上手くフィットせず、安定して支えることが困難です。

特に初心者の場合、肩当てがないと演奏中に楽器が滑って取り落とす危険性もあり、肩当ての使用は必須と言えます。

また、肩当てがないとバイオリンの保持に意識が行き過ぎて、左手によるフィンガリングがおろそかになったり、演奏中にバイオリンが下がってきて、正しい姿勢やフォームを維持することが困難になってしまいます。

肩当てを装着することによって、力を入れずにバイオリンを保持し、安定して構えることができるようになります。

肩当てがあれば、正しい姿勢を保持しながら、演奏に集中することができます。

肩当ての種類

一言に肩当てと言っても形状や材質でいろいろな種類に別れます。

一般的に用いられるのは、曲線がついたスティック状の本体とバイオリンに装着するために足部がついている形状のもので、これを「ブリッジ式」と言います。

バイオリン演奏家のおよそ7割から8割の人が、このブリッジ式の肩当てを使用していると言われています。

丸くて薄いクッションのようなタイプの肩当てもあり、これは「座布団式」などと呼ばれています。

ブリッジ式の肩当てには、さまざまな素材が使用されていますが、多くは木製かプラスチック製です、木製の方が人気が高く、ウォルナットやメープル、アッシュなどの木材が使われます。

アッシュは野球のバットにも使用される硬くて反発性のある木材で、装着することで音がはっきりする効果もあります。

プラスチック製の肩当ては軽く柔らかいので取り回しが良く、音色にも木材の肩当てとは違う影響がありますが、個々の肩当てによって影響は違ってきます。

肩当ての選び方

ブリッジ式の肩当ては、演奏中のバイオリンをしっかりと保持する効果があり、正しい姿勢や演奏法を維持する効果があります。

身体にあった肩当てを選ぶようにしましょう。

座布団式の肩当ては、体格等の理由から背の低い肩当てが必要な方に向いています。

また、楽器を固定しないので、演奏中に楽器を自由に動かし、一体感のある演奏が楽しめる、というメリットもあります。

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